税理士・司法書士・行政書士の違い|「どの手続きを誰に頼むか」で整理
どれも「士業」で、書類や手続きの専門家。名前は似ていますが、法律で決められた担当範囲(独占業務)がはっきり分かれています。いちばん分かりやすいのは「何の手続きか」で見分ける方法です。
名前が似ていて違いがわかりにくい仕事を、法律で決まっている担当範囲・なり方・働く場所から比べました(63本)。
どれも「士業」で、書類や手続きの専門家。名前は似ていますが、法律で決められた担当範囲(独占業務)がはっきり分かれています。いちばん分かりやすいのは「何の手続きか」で見分ける方法です。
どちらも法律の専門家で、裁判所に関わる仕事もします。大きな違いは「代理人として扱える範囲」。弁護士は法律事務のほぼすべてを扱えますが、司法書士は登記が中心で、裁判の代理には金額などの制限があります。
どちらもお金と会計のプロですが、法律で認められた独占業務がちがいます。公認会計士は会社の決算書が正しいかをチェックする「監査」、税理士は税金の申告を担当する「税務」が専門です。
どちらも会社の頼れる外部の専門家ですが、担当する分野がちがいます。社会保険労務士(社労士)は社員を雇うことにまつわる労働・社会保険の手続き、税理士は税金の申告と相談が専門です。
FPは家計・保険・年金・資産運用など、お金の計画全体をアドバイスする専門家。税金の相談にものりますが、個別の具体的な税務相談や申告書の作成は税理士だけができます。
裁判官・検察官・弁護士はまとめて「法曹三者」と呼ばれ、基本的に同じ司法試験と司法修習を経てなります。裁判では、裁判官が判断し、検察官が罪を問い、弁護士が依頼人を守るという、それぞれちがう立場を担います。
名前が一字ちがいの士業。弁理士は特許や商標などの「知的財産」の専門家で、特許庁への出願を代わりに行えます。弁護士は法律事務全般の専門家で、裁判の代理などを行います。
会社の経営の相談にのる「経営コンサルタント」は、資格がなくても名乗れる仕事です。中小企業診断士は、経営コンサルタントに関する唯一の国家資格で、中小企業の経営を診断・助言する専門家として国に登録されます。
ニュースで「検察が起訴」と聞くと、検察官ひとりで動いているように思えますが、実際の捜査は検察事務官とペアで進めることがほとんどです。同じ検察庁の職員でも、なり方も権限もまったく別物です。
法廷で裁判官の前に座り、やりとりを記録している人がいます。あれが裁判所書記官です。ただ、いきなり書記官として採用されることはなく、まずは裁判所事務官として入るのが普通です。
どちらも役所に出す書類のプロですが、得意な窓口がまったく違います。建設業の許可や飲食店の営業許可なら行政書士、社員の社会保険や雇用保険なら社労士。会社を作ると両方にお世話になることも珍しくありません。
どちらも不動産の登記を扱いますが、受け持つ部分が違います。土地家屋調査士は「どこに、どんな土地・建物があるか」、司法書士は「それが誰のものか」。登記簿でいえば、表題部と権利部で担当が分かれているイメージです。
同じ税金の専門家でも、座る席が反対側です。税理士は納税する人の代理として申告をまとめ、国税専門官は税務署や国税局の職員として、申告が正しいかを確かめたり、税金を集めたりします。
どちらも病院で検査を担当する国家資格の「技師」。いちばん大きなちがいは放射線です。人の体に放射線をあてる検査や治療ができるのは、医師・歯科医師と診療放射線技師だけ。臨床検査技師は血液などの検体や、心電図・超音波などの検査が中心です。
名前がよく似た病院の国家資格。臨床工学技士は人工呼吸器や人工透析装置などの生命維持管理装置を操作・管理する「医療機器の専門家」、臨床検査技師は血液や心電図などの検査を行う「検査の専門家」です。
病院のリハビリで出会う3つの国家資格。どれも「回復を手伝う」仕事ですが、得意な分野がちがいます。ざっくり言うと、理学療法士は「体を動かす力」、作業療法士は「生活する力」、言語聴覚士は「話す・食べる力」の専門家です。
病院では同じように働いているように見える看護師と准看護師。大きなちがいは免許を出すところと、仕事の進め方です。看護師は国(厚生労働大臣)の免許、准看護師は都道府県知事の免許で、准看護師は医師や看護師の指示を受けて働きます。
保健師と助産師は、看護師の資格を土台にして取る国家資格です。看護師が病気やけがの人の看護をするのに対し、保健師は地域や会社の人の健康づくり、助産師は妊娠・出産・産後のサポートを専門にしています。
救急車で駆けつける人はみんな「救急隊員」ですが、その中に国家資格を持つ「救急救命士」がいます。救急救命士は、医師の指示のもとで点滴や気道確保などの高度な処置(救急救命処置)を行えるのが大きなちがいです。
ドラッグストアで薬の相談に乗ってくれる人には、薬剤師と登録販売者がいます。ちがいは扱える薬の範囲。処方箋の薬の調剤や、リスクの高い一般用医薬品の販売は薬剤師だけができます。
どちらも食と栄養の専門職ですが、管理栄養士は栄養士の上位にあたる国家資格です。病気の人への栄養指導や、大きな給食施設の栄養管理など、より専門的な仕事を担います。
名前が似ている歯科の国家資格。歯科衛生士は歯科医院で患者さんの口の中をケアする仕事、歯科技工士は入れ歯や被せ物などを作る「ものづくり」の仕事です。歯科技工士は患者さんの口の中に処置をすることはできません。
どちらも心理の専門職としてカウンセリングなどを行います。いちばんのちがいは資格の種類。公認心理師は2017年に施行された公認心理師法による心理職初の国家資格、臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。両方を持つ人も多くいます。
心の不調の相談先として名前が挙がる2つ。精神科医は医師なので、病気の診断や薬の処方ができます。カウンセラー(心理職)は、話を聴いて心理的な支援をする専門家で、診断や処方はできません。
体の不調やけがを手技や鍼・灸でケアする国家資格は4つあります。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師は同じ法律、柔道整復師は別の法律にもとづく資格です。よく聞く「整体」や「カイロプラクティック」には、法律上の国家資格はありません。
動物病院で動物を診るのが獣医師、獣医師の指示のもとで看護や診療の補助を行うのが愛玩動物看護師です。愛玩動物看護師は2022年に法律が施行された新しい国家資格です。
まとめて「三福祉士」と呼ばれる福祉の国家資格。名前は似ていますが、介護福祉士は介護の実践、社会福祉士と精神保健福祉士は相談支援(ソーシャルワーク)が中心です。精神保健福祉士は、心の病気がある人の支援を専門にしています。
どちらも介護や福祉の相談にのる仕事ですが、ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護保険のサービス計画(ケアプラン)を作る専門職、社会福祉士は介護に限らず生活のさまざまな困りごとの相談にのる国家資格です。
介護の仕事の資格は、初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士(国家資格)と、段階的にステップアップできるようになっています。初任者研修と実務者研修は研修を修了して得るもの、介護福祉士は国家試験に合格して得る国家資格です。
病院や介護施設で一緒に働くことの多い2つの国家資格。看護師は医療の専門職で、医師の指示のもとで注射などの診療の補助ができます。介護福祉士は生活を支える介護の専門職で、医療行為は原則としてできません。
どちらも小さな子どもと関わる仕事ですが、もとになる法律も資格も別物です。保育士は「福祉」の資格で保育所などで働き、幼稚園教諭は「教育」の免許で幼稚園で働きます。両方を持って認定こども園で働く「保育教諭」もいます。
保育士は国家資格で、保育園などの施設で子どもを保育します。ベビーシッターは家庭に出向いて子どもを預かる仕事で、法律で決まった必須の資格はありません。ただし保育士資格を持つシッターも多くいます。
どちらも子どもを預かる仕事ですが、対象と資格がちがいます。放課後児童支援員は、放課後や長期休みに小学生が過ごす学童保育(放課後児童クラブ)の職員、保育士は主に小学校に入る前の子どもを保育する国家資格です。
名前が一文字違いでややこしい二つ。社会福祉主事は、福祉事務所などで相談の仕事に就くための「任用資格」。社会福祉士は国家試験に合格して名乗れる「国家資格」です。持っていることの意味がそもそも違います。
児童養護施設や放課後等デイサービスの求人を見ると「保育士または児童指導員」と並んで書かれていることがよくあります。同じ現場で働くことは多いのですが、保育士は国家資格、児童指導員は職に就くための任用資格という違いがあります。
ケアマネとして経験を積んだ人が、次に目指すのが主任ケアマネジャーです。担当する利用者のケアプランを作る仕事は同じですが、主任はそれに加えて、ほかのケアマネを指導したり、地域のケアマネの相談に乗ったりする役回りを担います。
建物づくりには、図面を描く人と、その図面どおりに現場で工事を進める人がいます。建築士は建物の設計と工事監理の資格、施工管理技士は工事現場の工程・品質・安全などを管理する資格です。
どちらも建物の設計と工事監理ができる国家資格ですが、扱える建物の規模や構造がちがいます。一級建築士はすべての建物、二級建築士は一定の規模・構造までの建物を扱えます。
どちらも土地を測る専門家ですが、目的がちがいます。測量士は地図づくりや道路・橋などの工事のための測量、土地家屋調査士は土地の境界や建物を調べて登記(不動産の情報の登録)をするための測量と申請を行います。
どちらも不動産の国家資格ですが、役割がちがいます。不動産鑑定士は土地や建物の適正な価値を評価する専門家、宅地建物取引士(宅建士)は不動産の売買や賃貸の契約で、大切な事項を説明する専門家です。
どちらもマンションの管理に関わる国家資格で、同じ法律(マンション管理適正化法)にもとづきます。ちがいは立場。マンション管理士は住民でつくる管理組合の相談役、管理業務主任者は管理を引き受ける管理会社の担当者です。
どちらも電気の国家資格ですが、役割がちがいます。電気工事士は配線やコンセントなどの電気工事を行う資格、電気主任技術者はビルや工場、発電所などの電気設備が安全に使われるよう保安を監督する資格です。
名前は似ていますが、まったくちがう仕事です。消防士は火災や救助の現場で活動する公務員、消防設備士はスプリンクラーや火災報知器などの消防用設備を工事・点検する国家資格です。
測量の現場にいるのは測量士と測量士補。どちらも国家資格ですが、測量の「計画」を作れるのは測量士だけです。測量士補は、その計画に沿って実際に測る仕事をします。
電気工事士の資格は第一種と第二種の二つ。家のコンセントや照明の工事なら第二種で足ります。ビルや工場など、高い電圧で電気を受ける建物の工事まで手がけたいなら第一種が必要です。
ガソリンスタンドのアルバイトの求人でよく見かける「乙4」。これは危険物取扱者の乙種第4類のことです。危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の三つがあり、扱える危険物の範囲と、ほかの人の作業に立ち会えるかどうかが違います。
国家公務員は国の機関(省庁など)で国全体に関わる仕事を、地方公務員は都道府県や市区町村で住民に身近な仕事をします。採用試験を行うところも、転勤の範囲もちがいます。
どちらも安全を守る仕事で、制服姿もよく似ています。大きなちがいは権限です。警察官は法律にもとづく捜査や逮捕などの権限を持つ公務員、警備員は民間の警備会社で働き、特別な権限は持っていません。
どちらも船に乗って海で活動する国家公務員ですが、所属と役割がちがいます。海上保安官は国土交通省の海上保安庁に所属する「海の警察・消防」、海上自衛官は防衛省の海上自衛隊に所属し、国の防衛を担います。
どちらも法務省の職員で、罪を犯した人の立ち直りに関わります。分かれ目は相手の年齢と施設。刑務官は主に大人が収容される刑務所・拘置所、法務教官は少年院や少年鑑別所で少年たちと向き合います。
空港の入国カウンターでパスポートを確認しているのが入国審査官です。一方、入国警備官は、不法に入国したり滞在したりしている外国人を調べ、摘発や収容、送還を担当します。同じ出入国在留管理庁でも、役割ははっきり分かれています。
同じ「学校の先生」でも、小学校と中学校・高校では教員免許の種類と教え方がちがいます。小学校の先生は学級担任として多くの教科を教え、中学校・高校の先生は自分の専門の教科を教えるのが基本です。
どれも「資料を集めて、守って、人に届ける」仕事ですが、働く場所と資格のもとになる法律がちがいます。学芸員は博物館・美術館、司書は図書館、司書教諭は学校図書館を担当する先生です。
どちらも食の資格ですが、得意分野がちがいます。調理師は料理をつくるプロ、栄養士は栄養のバランスを考えて献立を立てたり、食生活を指導したりするプロです。
髪を切るのはどちらも同じですが、法律で決められた仕事の中心がちがいます。理容師は「頭髪の刈込み、顔そり」などで容姿を整える仕事、美容師は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧」などで容姿を美しくする仕事です。
どちらもシステム開発の仕事で、資格がなくてもなれます。一般に、システムエンジニア(SE)はお客さんの要望を聞いてシステムの仕組みを設計する人、プログラマーは設計にもとづいてプログラムを書く人、という役割分担があります。
給食の献立を作っている「給食の先生」には、栄養教諭と学校栄養職員の二通りがあります。どちらも栄養士の資格がベースですが、栄養教諭は教員なので、教室で食の授業もできます。
子どもから見ればみんな「先生」ですが、学校の中では立場が分かれています。教員採用試験に受かって正規に採用されたのが教諭。講師は期間を決めて採用される先生で、学級担任も持つ常勤講師と、授業の時間だけ来る非常勤講師がいます。
障害のある子どもの学校の先生になるには、小学校などの免許に加えて特別支援学校の免許が必要、というのが原則です。ただ、普通の小学校の中にある「特別支援学級」の先生は、小学校の免許だけで担任になれます。ここがよく混乱するポイントです。
どちらも言葉を別の言葉に置き換える仕事ですが、扱うものが違います。通訳は「話し言葉」をその場で、翻訳は「書かれた文章」を時間をかけて訳します。同じ語学力でも、求められる瞬発力と粘り強さは正反対です。
レストランの料理人が持っていることが多いのが調理師、ケーキ屋さんやパン屋さんのパティシエが持っていることが多いのが製菓衛生師です。どちらも資格がなくても働けますが、衛生と調理の知識があることの証明になります。
美容の仕事でも、必要な資格はばらばらです。ヘアの施術には美容師免許が必要。ネイルは国家資格がなくてもできます。意外なのがまつげエクステで、これは美容師免許を持つ人でないと施術できません。
電車の先頭に乗るのが運転士、後ろに乗るのが車掌。運転士には国の免許が必要ですが、車掌には国家資格はなく、鉄道会社の中で養成されます。多くの会社では、駅員から車掌、車掌から運転士という順番でステップアップしていきます。